野球がプレーできない日が来るなんて……

大リーグ・ブログ1

 新型コロナウイルス感染者数が今も日々増え続けているアメリカで、米大リーグ野球機構(MLB)は2020年シーズン開幕を決定。例年より約4ヶ月遅れの開幕に間に合わせるべく、7月3日から全30球団の夏季キャンプが始まった。

 弊社のオフィスがあるシアトルには、イチローをはじめとする日本人メジャーリーガーの在籍チームとして知られる「シアトル・マリナーズ」がある。20年以上にわたり“常に”日本人選手が在籍しているため、彼らの活躍を日本に伝える仕事に長年関わってきたが、まさか「野球ができない」という事態が起きるとは想像したこともなかった。

 しかし、その「まさか」は現実に起こり、球団関係者はもとより、全米30球場で働く大勢のスタッフやベンダー業者、警備員やメディア関係者など、野球業界にかかわる何万人もの人々が「これから一体どうなるのか?」と不安な日々を過ごしている。

すべての記者会見がオンライン・ビデオ会見に変更

 「コロナ禍でいつ開幕できるかわからない」という状況下だった約3カ月間、ここシアトルではロックダウンが長期化し、人権デモや暴動、CHOP占領地区の出現などが起き、これまでの「日常」が目紛しい速さで変化していった

 会議だけでなく、報道記者会見もすべてオンライン・ビデオ会見になり、「取材は現場からが基本」というこれまでの長年の常識が一気に覆された。特にMLBの開幕が決まってからは、毎日まさに分刻みで各球団関係者のビデオ記者会見が設定され、会見に参加しては急いで原稿を書いて、すぐに次の会見に参加すると忙しさになった。

大谷翔平
大谷翔平選手の会見も、ネット越し

現場へ行かずに取材する違和感も

 現場に行かないので、移動時間も必要ない。これまでのように2時間前に空港に向かう必要も、レンタカーやホテルの手配をする必要もない。米国内の時差で体がだるくなることもないし、飛行機の遅延や渋滞で会見に遅刻してしまうのではないかという心配もない。指定された時間にリンクをクリックすれば、自分のコンピューター画面に取材対象者の顔が映り出されるのだから、効率の良さはこの上ない。

 でも、「本当にこれでいいのか?」という思いが何度も頭をよぎる。それは単に私が昭和生まれだからなのか、そもそも効率よりも面倒くさい方法を選びがちな性格によるものなのか、そこの判断は難しいが、現在の取材方法に違和感を感じていることは否めない。とはいえ、今後は大リーグ業界に限らず、この取材方法が各所に浸透していくだろう。「変化は突然やってくる」。まさに今がその変化のときなのだろう。

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