予想した通り、すぐには決まらなかった

市民にとっては心臓に悪いとしかいいようがない、アメリカ大統領選挙。メディア、SNSなど、いろいろと出てくる情報に翻弄されっぱなしで、かなりクタクタな状態だ。他の媒体(時事通信の『金融財政ビジネス』に「三都物語」というコラムを連載中)には選挙前に書いたことなのだが、私は「すぐに結果は出ないのではないか?」と予測していた。
トランプさんが勝ってもバイデンさんが不服を訴える。バイデンさんが勝てばトランプさんが選挙不正を訴える……。私が予想していなかったのは、開票の最中に、まだ結果も見えないうちからカオス状態に陥ったこと。すぐには決まらないことについては想定内だったが、想像を超えるメタメタさだ。
あと数日で「暫定的」に結果は見えてくるはずだが、どちらに決まったとしても、こうなった以上それは「決定」ではなくなる可能性が高い。負けた方が「ああ、そうですか。負けですか」と簡単に納得するはずもなく、下手をしたら来年1月の就任式ギリギリまで次の大統領は決まらないのではないか?とみている。
そうなった場合に、有利なのは当然トランプさん。なぜかと言うと、現職だから。また、最高裁判所の介入が必要になった場合、これもトランプさん有利に運ぶだろう。現在、最高裁判所は極端に保守に偏っている。なので、そこに持ち込まれれば、バイデンさんには勝ち目はないだろう。
多分、勝つのはトランプ大統領だろうが……
というわけで、現時点で「誰が勝つだろう?」と聞かれたら、たとえ一旦はバイデンさんとなった場合でも、トランプさんが覆し、結局はトランプさんが次期も大統領になるだろうと推測する。バイデンさんは、スキャンダルと汚職疑惑が相当ひどいので、トランプさんは容赦なくバイデンさんを攻撃するだろう。バイデンさん、というよりは民主党も「裏で何やってんだ?」という疑惑があまりにも多いので、分が悪い。たとえばミシガン州の郵便局で見つかった不正行為をはじめとする選挙妨害行為や、投票所でなぜか民主党の選挙管理人が共和党の管理人を追い出す事態が多発している件など、例をあげたらキリがないが、それらについてトランプ大統領サイドは徹底追及するはずだ。
現在アメリカでは、お約束のようにメディアは総出で「民主党祭り」になっているし、ソーシャルメディアの言論統制はさらに強まっている。トランプさん側の主張は、すべてネガティブにしか報道されない。これはヒラリーさんの時から同じであり、米大手メディアがまったく学んでいないと思えてならない点だ。
民主党は、本当に勝ちたいならば、こうした「煽り」がプラスにならないことを、もうそろそろ学んだ方がいいと思えてしまう。不正行為の証拠をツイートしたり、それをシェアしたりすると、アカウントが凍結される事態も起こっているようだが、これは「言論統制ではない」と言えるのだろうか?
トランプ派の多くは、大手SNSプラットフォームでは大声で何かを語れないため、保守系SNSのパーラーにアカウントを移して、そこで情報をシェアしている。だからツイッターやフェイスブックが言論統制まがいの行為をしても、あまり効果がないようにも見える。私も一次情報を得るためにパーラーのアカウントは持っているが、そこは「まじですか?」という情報だらけだ。そこで公開されている不正行為の証拠はすべてが本物かどうかは分からないし、「いくら何でも嘘だろう?」と思うものもある。しかし、昔から言われているように、火のないところに煙は立たない。とにかく、パーラーでは米大手メディアが報道しない、すごい数の「不正の証拠となりそうな情報」を読むことができる。
ガキのケンカはどこまで続く?
アメリカは今、全国民総出演という状態で、共和党VS民主党の「ガキのケンカ」を目撃している最中だ。正直なところ、「もういい加減にしてくれよ」と思ってしまうほど酷い様相である。しかも、この「ガキのケンカ」がシャレにならないのは、それが「暴動」という形で凶悪化する点だ。
私の住んでいるところはバージニア州なので首都も近い。まだ結果が見えていないので、ここ数日は「静か」ではあるが、これは「嵐の前の静けさ」かもしれないと誰もが思っているだろう。大統領がどちらかに決まった時点で、必ず暴動は起こる。そして、どちらかが必ず不服を訴えて結果を覆そうとするという流れは、たぶんもう避けられないように思う。
今後も数日ごとに状況が変わるはずなので、Agentic Mediaでは私に限らず、この件を引き続き追いかけていこうと思う。市井の視点を大事にして、いろいろ発信していきたい。
今日、近所の米軍基地から多くの戦車が出発していくのを見かけた。怖かった。まさか「内戦」などにはならないで欲しいと願っているのは、私だけではないだろう……。