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ダンベルの売上げ、ロックダウンで前年比1,980%増!

 パンデミックで長期的なロックダウンが続いたアメリカでは、会社や学校はもちろん、ジムも数ヶ月間に渡って閉鎖された。なかでも多くの都市がロックダウンした今年3月と4月には、なんとダンベルの売上げが前年比の1,980%という驚愕的な伸びをみせた。

 ジムに通えないため、自宅で運動したい人たちがオンラインで様々なフィットネス器具を購入した結果、同月のフィットネス器具の売上げ第2位のウエイト・プレート(ダンベルに装着する重り)は前年比1,355%増、第3位のケトルベル(やかんのような形をしたダンベル)は前年比1,000%増。購入した器具を置くラック棚まで前年比285%増という、怒涛のセールス月間となった。(データ引用元:MediaPost)

高額でも結果が出る商品を支持する消費者層

 大勢の人たちがフィットネス熱をあげる中、高収入のフィットネス・ラバーたちの間で特に話題を呼んでいる商品が、Peloton 社のBike ($2,245)と、Lululemon Athleticaの Mirror($1,495)だ。両商品ともにヨガマットやダンベルよりもずっと高額だが、確実に売れている。

 ヨガパンツの王者 Lululemon Athletica社が500ミリオンドルで買収したばかりのNYのスタートアップ企業が開発したMirrorは、その名の通り、見た目はシンプルな鏡だ。部屋の壁に設置した状態では全身を映し出す普通の鏡にしか見えないが、電源を入れて起動させると様々なフィットネス・プログラムが鏡の中に映し出される。そのプロモ映像はこちら

鏡の中にはパーソナル・トレーナーが!

 自宅の鏡の中に自分の選んだフィットネス・プログラムが映し出されている間も、鏡の機能は維持されているため、自分が運動する姿を鏡の中に投影しながらプログラムを受講出来る。トレーニング結果やトレーニングのセルフショットは連動するアプリで行い、鏡の中にデータを出して結果や成果を比較もできる。

 また、既存のプログラムのほかに、鏡に内蔵されたカメラを使って、同社のパーソナル・トレーナーによる個人セッションを自宅で受けることもできる。ひとりで映像をみながら鏡に向かってエクササイズをするよりも、鏡の中からでも他人に叱咤激励されながらエクササイズするのでは、成果が大幅に異なるらしい。

 この器具本体が$1,495で、月々の費用が$42かかるので確かに高額だ。しかし以前のようには外出できない中、ソーシャルディスタンスを気にして運動するスポーツジムに支払う会員費やパーソナル・セッション料金と比較しても、「特に高額ではない」と考える消費者たちに支持されているようだ。

この記事を検証!

数年前にMirrorがフィットネス市場に現れたとき、割れてしまうかもしれない「鏡」を自宅に配達する(しかも自分で設置するにはかなり重い)という商品でありながら、その堂々たる価格と斬新かつシンプルなアイデアに感心しました。「ジムに行く方が断然リーズナブル」な中で、どう売っていくのかと気にしていたのですが、ルルレモンによる買収とパンデミックの到来という予想外の展開で、スタートアップから一気に第一線へかけあがりました。パンデミック景気の命運を分けた象徴的な商品のひとつだと言えると思います。

by 村山みちよ

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